アスペクトとオーブ──トラインとスクエアをどう読み分けるか
ホロスコープを読むとき、天体がどの星座にあるかと同じくらい重要なのが、天体同士がつくる角度です。これをアスペクトと呼びます。アスペクトの種類と、その読み方を整理します。
アスペクトは天体同士の角度
アスペクトとは、二つの天体が黄道上でつくる角度のことです。太陽が蠍座11度、火星が獅子座20度にあるとき、その差は約81度。これが特定の角度に近いとき、二つの天体は関係を結んでいると考えます。
主要なアスペクトは五つあります。0度のコンジャンクション(合)、60度のセクスタイル、90度のスクエア、120度のトライン、180度のオポジション(衝)。これに150度のインコンジャクト(クインカンクス)を加えることもあります。
なぜこの角度なのかというと、円を整数で割った角度だからです。360度を1で割れば0度、2で割れば180度、3で割れば120度、4で割れば90度、6で割れば60度。割る数が小さいほど強いアスペクトとされます。
オーブは許容誤差
実際のホロスコープで、きっかり120度000分になることはまずありません。そこで「この程度のずれまでは成立とみなす」という許容範囲を設けます。これがオーブです。
オーブの取り方は流派によって違いますが、強いアスペクト(合・衝・スクエア・トライン)には広め、弱いアスペクト(セクスタイル・インコンジャクト)には狭めに取るのが一般的です。太陽と月には広く、小惑星には狭く、という天体ごとの差をつける考え方もあります。
重要なのは、オーブが小さいほどアスペクトは強く働くという点です。オーブ0.1度のスクエアと、オーブ5度のスクエアでは、影響の強さがまるで違います。その日のホロスコープを読むときは、まずオーブの小さい順に並べて、1度以内のものを探すのが定石です。
1度以内のアスペクトが一つもない日は、強い主題が立たない日です。そういう日に無理やり劇的な読みを作るべきではありません。静かな日は静かだと書くほうが誠実です。
調和と摩擦
アスペクトは大きく二系統に分かれます。トラインとセクスタイルは「ソフトアスペクト」または調和的アスペクトと呼ばれ、二つの天体が無理なく協力する関係です。スクエアとオポジションは「ハードアスペクト」で、二つの天体が引っ張り合い、摩擦を生みます。
コンジャンクションはどちらでもありません。二つの天体が同じ場所に重なるため、その天体の組み合わせ次第で働きが変わります。金星と木星の合なら膨らむ方向、土星と火星の合なら押さえつけられる方向になります。
インコンジャクトは150度という中途半端な角度で、二つの天体が噛み合わないまま並存する関係です。どちらかを選べば済む対立ではなく、調整し続けるしかない関係として読みます。
ハードアスペクトを「凶」と呼ばない
スクエアやオポジションを「凶角」と呼ぶ本もありますが、この読み方には問題があります。摩擦が生じることと、結果が悪くなることは別だからです。
ハードアスペクトは、二つの天体が互いに譲らないために緊張が生まれる配置です。この緊張は、放置すればストレスになりますが、自覚して使えば推進力になります。実際、大きな成果を出した人のホロスコープにはハードアスペクトが多いという観察は昔から言われてきました。
逆に、トラインばかりの配置は抵抗がないぶん、何も起きないまま過ぎることがあります。調和は楽ですが、楽であることと実りがあることは同義ではありません。
読み方としては、ハードアスペクトは「負荷のかかる方向」「試される方向」として扱い、ソフトアスペクトは「抵抗の少ない方向」として扱うのが適切です。凶吉ではなく、力のかかり方の違いとして読みます。
トランジットとネイタル
日々の運勢を読むときは、出生時のホロスコープ(ネイタル)と、その日の天体配置(トランジット)の二つを重ねます。トランジットの天体がネイタルの天体にアスペクトを形成したとき、その影響が現れると考えます。
たとえば「トランジットの火星がネイタルの土星にトライン、オーブ0.6度」なら、その日は火星(行動力)と土星(構造・規律)が無理なく噛み合うことを示します。段取りを組む、工程を詰めるといった作業に向く配置です。
トランジットの天体は速度が違うため、影響の持続時間も違います。月は一日で約13度動くのでその日限り、太陽と水星と金星は数日、火星は数週間。木星以遠は数ヶ月から数年にわたって同じアスペクトが続きます。
このため、木星や土星のアスペクトを毎日の運勢として書くのは適切ではありません。「今日そうなった」のではなく「数ヶ月前から続いている」からです。日々の読みでは月と内惑星を中心に見て、外惑星はオーブが1度を切って締まっていく時期にだけ触れるのが筋です。
逆行をどう扱うか
ホロスコープで天体名の横に R と書かれているのは逆行(retrograde)の印です。地球から見て、その天体が黄道上を逆方向に進んでいるように見える期間を指します。実際に逆走しているわけではなく、地球との相対的な位置関係による見かけの現象です。
水星逆行がよく話題になりますが、金星・火星・木星以遠も定期的に逆行します。外惑星は一年の半分近くが逆行期間です。
逆行の読みは「進める」より「戻って確かめる」。新規に始めるより、途中のものを見直す、やり直す、再交渉する方向に力が出るとされます。水星逆行中に契約や連絡の行き違いが起きやすいと言われるのは、この見直しの力が働くためと解釈されます。
計算上の注意点として、逆行の判定は天体の見かけの速度を求めることで行いますが、停留(順行と逆行が切り替わる瞬間)の前後では速度がほぼゼロになるため、計算方法によって判定が食い違うことがあります。光行時補正を片方だけにかけるといった不整合があると、外惑星で逆行の判定が反転してしまいます。
生年月日を入れると、この記事で説明した手順をそのまま適用した結果が出ます。算出根拠も開けます。
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※この記事は占術の仕組みを解説したものです。占いは娯楽・参考を目的としたものであり、健康・金銭・進路など重要な判断は専門家への相談とご自身の検証に基づいて行ってください。