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易更新 2026-11-04

易の立て方と六十四卦の読み方──擲銭法・変爻・之卦

易は六十四の卦(か)で世界を分類する占術です。卦を立てる手順自体は十分で終わりますが、そこから何をどう読むのかが分かりにくい。立卦から解釈までの流れを通して説明します。

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八卦が二つで一つの卦になる

易の最小単位は爻(こう)で、陽(─)と陰(- -)の二種類しかありません。これを三本重ねると八通りの組み合わせができ、これが八卦です。

八卦は 乾(☰・天)・兌(☱・澤)・離(☲・火)・震(☳・雷)・巽(☴・風)・坎(☵・水)・艮(☶・山)・坤(☷・地)の八つ。それぞれ自然現象と対応しています。

この八卦を二つ重ねると、8×8で六十四通り。これが六十四卦です。下に置くほうを下卦(内卦)、上に置くほうを上卦(外卦)と呼びます。下卦が内側の事情、上卦が外側の状況を表すとされます。

卦の名前は、この上下関係をそのまま表しています。「雷水解」なら上が雷(震)で下が水(坎)。「水雷屯」なら上が水(坎)で下が雷(震)。同じ二つの八卦でも、上下が入れ替われば別の卦です。この命名規則のおかげで、卦名さえ分かれば構成が分かります。

擲銭法で卦を立てる

伝統的な立卦法は筮竹を五十本使う本筮法ですが、手間がかかるため、硬貨三枚を使う擲銭法(てきせんほう)が広く使われています。

手順は簡単です。硬貨三枚を同時に投げ、表と裏の出方で一本の爻を決めます。表を3、裏を2として合計すると、6・7・8・9のいずれかになります。

6は老陰、7は少陽、8は少陰、9は老陽。少陽と少陰はそのまま陽と陰ですが、老陽と老陰は「極まって反転しようとしている」状態で、これを変爻(へんこう)と呼びます。

これを六回繰り返し、下から順に積み上げます。一回目が初爻(最下段)、六回目が上爻(最上段)。この六本が卦になります。

爻の位置には意味がある

六本の爻は、下から順に初爻・二爻・三爻・四爻・五爻・上爻と呼ばれます。それぞれの位置には固有の意味があります。

初爻は事の始まり。位が低く力は足りませんが、動き出すこと自体に咎はありません。二爻は下卦の中心を得た位で、支える側に回ると通ります。三爻は下卦の極みで、進退の境目にある危うい位。無理に押すと躓きます。

四爻は上卦の初めで、立場は得たものの足元が定まらない位。五爻は上卦の中心、いわゆる君位で、最も力を発揮できます。上爻は極まった位で、満ちれば欠ける。引き際を誤ると積み上げを失います。

卦辞が卦全体の状況を示すのに対し、爻辞はその卦のなかでの位置ごとの状況を示します。同じ卦でも、どの爻が動いているかで読みはまったく変わります。

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変爻と之卦

老陽(9)と老陰(6)が出た爻は変爻です。陽は陰へ、陰は陽へ反転しようとしている状態で、その卦のなかで最も動きのある位置を示します。

変爻を実際に反転させると、別の卦ができます。これを之卦(しか/ゆくか)と呼び、本卦の状況がこのまま進んだ先を表します。

読み方としては、本卦が現状、変爻が動いている箇所、之卦が行き着く先。本卦より之卦の格が落ちるなら、いま得ているところで手を止めるべきという示唆になります。逆に之卦の格が上がるなら、いまの流れを続けてよいと読みます。

変爻が一つも出ないこともあります。その場合は卦辞だけで読み、状況が固まっていて動かしても形が変わらない日と解釈します。逆に変爻が三つ以上出ると読みが複雑になるため、流派によって扱いが分かれます。

卦辞を読む

六十四卦それぞれに卦辞がついています。『易経』に収められた短い漢文で、三千年近く前のテキストです。

たとえば第40卦の雷水解は「解、利西南。无所往、其来復吉。有攸往、夙吉」。訳すと「解は西南に利あり。行く所がなければ、戻ってくるのが吉。行く所があるなら、早いほうが吉」。凍結が解ける卦ですが、条件が三つ付いています。

第52卦の艮為山は「艮其背、不獲其身」。「その背に止まりて、その身を獲ず」──背中で止まるので自分の身が見えない、つまり動かないことに徹する卦です。

卦辞には「元亨利貞」のような定型句が頻出します。元は始まり、亨は通る、利は適う、貞は正しさを保つ。この四つが揃うと最良とされ、乾為天や屯、随、无妄などに現れます。

吉凶を固定しない

六十四卦を「吉の卦」「凶の卦」に分類する本は多いのですが、易の本来の思想からすると、この分け方は乱暴です。

易の前提は、すべての状況が移り変わるということです。極まった吉は凶に転じ、底をついた凶は吉に向かう。第11卦の地天泰(通じる)の次が第12卦の天地否(塞がる)になっているのは偶然ではありません。

たとえば第47卦の困は「困しむ」という字のとおり窮する卦ですが、卦辞は「亨貞、大人吉无咎」。窮しても志を保てば咎はない、と言っています。状況の良し悪しではなく、その状況でどう振る舞うかを問うのが易です。

実用的には、卦が示す状況を受け入れたうえで、そこで取れる手を考える道具として使うのが適切です。「今日は凶卦だから何もしない」ではなく、「今日はこういう局面だから、この振る舞いが合う」と読みます。

この計算を実際に試す

生年月日を入れると、この記事で説明した手順をそのまま適用した結果が出ます。算出根拠も開けます。

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※この記事は占術の仕組みを解説したものです。占いは娯楽・参考を目的としたものであり、健康・金銭・進路など重要な判断は専門家への相談とご自身の検証に基づいて行ってください。